大学受験や高校受験では「時の経過を表す構文」が頻出で、
受験生はこれを覚えなければいけません。
そしてこれを丸暗記しようとすると、なんかやってもすぐに忘れてしまうようです。
というわけで、今回はこれらの「時の経過を表す構文」についての講義です。

さて、なぜかこの構文では父親が殺されます、笑
「父が死んでから10年になります」
という例文がなぜか必ず出るのです。
そしてこれを4パターンで書き換えられなければいけない訳です。

(1) My father
(2) My father
(3) It
(4) Ten years

さて、皆さん上の書き出しに続けて4パターン書いてみて下さい!





いかがでしょうか??
では正解の前によくあるミスを含む解答を挙げてみましょう。

(1) My father died for ten years.
(2) My father has died for ten years.
(3) It has passed ten years since my father died.
(4) Ten years have past since my father died.

正しくは以下のようになります。

(1) My father died ten years ago.
(2) My father has been dead for ten years.
(3) It has been ten years since my father died.
(4) Ten years have passed since my father died.

では、それぞれなぜ上のように直さねばならないのかを考えてみましょう。

(1) dieは「死ぬ」という意味で「継続不可能な動詞」です。よって”for ten years”(=10年間)という
 「期間」を表す言葉との相性が悪いのです。よって”ten yerars ago”と「時期」を表す語句とセットにします。

(2) 先ほども触れましたがdieは「死ぬ」という「継続不可能な動詞」です。
 よって”be dead”(=死んでいる)という「継続可能な表現」で置き換えます。
ちなみにdeadは動詞ではなく
形容詞です。
 「死ぬ」のは1回しかできませんが「死んでいる」という状態は続いていくわけです。

(3) これはちょっと理解が難しいのですが、itには時や天候、距離などを漠然と指す用法があります。
 ⅰ) It is Sunday today.(時間)
 ⅱ) It was snowy yesterday.(天候)
 ⅲ) It is about one kilometer from here to Ikebukuro Station.(距離)
 よってここでも「父親が亡くなってから今まで経過した時間」を漠然と示すのがこのitとなりますから
 対応する動詞もbe動詞となります。つまり「経過時間=10年」ということを示すのが (3)の英文となります。
 したがって動詞は必ずしも”has been”と現在完了形にする必要はなく普通の現在形(=現在単純形)”is”でもOKです。

(4) (3)に対して、時間そのものを主語とすると「時間が経過した」という日本語に近い意味で、
 ”Ten years have passed”(=10年が過ぎ去った) とします。
 ちなみにpastは前置詞で「~を過ぎた」という意味ですから、”have passed”のように動詞の一部にはなれません。
 cf. It is a quarter past ten.(今、10時15分過ぎです)*「10時を15分すぎた」という意味。

この「時の経過を表す構文」は入試でも頻出だし、本当に多くの生徒が間違るので正しく理解し、
正確に再現できるようにしたいものです。

では、今回かここまでです!