今回はbyとuntilの使い分けについてです。
この二つの語、本当に使い分けができない生徒が多いのですが、
その原因は「訳語」だけで区別していることにあります。

by =までに
until =まで

これはこれで正しいのですが、訳語だけによる区別では、
この2つの語の違いをなかなか本質的に理解できないのです。
というわけで少々訳語を補ってみます。

by =~までに(1回~する)
until =~まで(ずっと~する)

つまり・・・
byは「ある『期限』までに1回何かを完結させる」という意味で、
untilは「ある『期間』継続して何かを行っている」という意味です。
例文を見てみましょう!

(1) I must finish the work by seven tonight.
(私はこの仕事を今夜7時までに終わらせなければならない)

(2) I must work until seven tonight.
(私は今夜7時まで働かなければならない)

さてここで着目したいのはbyとuntilだけでなく、それらと共に使われている動詞の性質の違いです。
つまり・・・

byと共に使われる動詞:finish, end, leave, start, enter, die, marry etc. 
untilと共に使われる動詞:work, do, read, write, watch, be, live etc.

違いが分かりますか??

byと共に使われる動詞は「1回で完結する動作を表す動詞」=「継続不可能な動作を表す動詞」
untilと共に使われる動詞は「継続可能な動作を表す動詞」または一部の「状態動詞」
*状態動詞はその名の通り「ある種の状態」を表し継続的な意味を持ちます。
 上の例ではbeやliveが状態動詞です。

この「継続不可能な動作を表す動詞」と「継続可能な動作を表す動詞」の区別はとても大切で、
完了形の時にもまた現れる区別です。

さてbyやuntilの後に節が続く形も見ておきましょう。

(3) By the time he arrives, we will finish the work.
(彼が到着するまでに、私たちは仕事を終えているだろう)

(4) Until he comes, we must stay here.
(彼が到着するまで、綿日たちはここにいなければならない)

byには接続詞としての用法はないので、後ろに文を続けるには”by the time”という形にする必要があります。
*by the time S V = SがVする時までに

さて、ここで注意しなければいけないのは・・・
by the timeと共に使われる「継続不可能な動作を表す動詞」は主節の動詞である”finish”であり、
untilと共に使われる「継続可能な動作を表す動詞」もまた主節の動詞である”stay”であることです。

by the timeやuntilの節内の動詞であるarrivesやcomesに注目すると、
どちらも「継続不可能な動作を表す動詞」になっているので区別が分からなくなります。
よってbyやuntiとセットになる動詞は主節の動詞である、事を押さえておいて下さい。

今回の講義はここまでとしますが、皆さんもお手持ちの辞書などでbyとuntilが使われた例文を確認し、
その違いをしっかりと体得して下さい!