紛らわしい前置、あるいは接続詞としてtill[until], by, beforeがあります。
tillとuntilは基本的に意味用法は同じですが、現在はuntilの方がよく使われます。

では実際に例文を通じて意味の違いを考えてみましょう!

(1) I stayed in bed until noon.
(2) I stayed in bed before noon.
(3) You have to finish your homework by six.
(4) You have to finish your homework before six.

(1) 私はお昼までずっとベッドで寝ていた。
(2) 私はお昼前はベッドで寝ていた。
(3) あなたは6時までに宿題を終わらせなければなりません。
(4) あなたは6時前には宿題を終わらせなければなりません。

ざっくりというと・・・
「untilとbyは大きく意味が異なり互換性はないが、beforeはbyやuntilと置き換えても大きく意味が変わらないことが多い」
ということができます。

untilの意味と使い方
untilは「ある時までずっと続いている」という「継続」を表し、「継続可能な動詞」と共に使われます。
(1)のstayは「いる」「滞在する」という「継続可能な動詞」です。

byの意味と使い方
byは「ある時までに完了させる」という「締切」や「期限」を表し、「1回で完結する動詞」と共に使われます。
(3)のfinishは「終わらせる」ですから「1回で完結する動詞」(=継続不可能な動詞)ということになります。

beforeの意味と使い方
beforeは「ある時よりも前に」という「前後関係」を表し「継続可能な動詞」とも「1回で完結する動詞」とも一緒に使われます。

untilとbefore
(1)と(2)の例文を比べてみると・・・
(1)は「お昼までずっと寝ていた」という訳で「12時ジャストにベッドから出た」という意味になります。
(2)は「お昼前は寝ていた」という訳で「12時よりも前にはベッドから出ていた」という意味になります。

untilの方は「期限となる時間までずっと寝ていた」のに対して
beforeは「期限となる時間までにはベッドを出たていた」というということになります。
つまりuntilの方が遅くまでベッドにいたことになります。

byとbefore
(3)と(4)の例文を比べてみると・・・
(3)は「6時までに終わらせる」ということで「6時に終わらせてもOK」ということになりますが、
(4)は「6時前には終わらせる」ということで「6時に終わらせた場合はダメ」ということになります。

ですから定められた時間に対して・・・
untilとbyは「その時間を含む」のに対して
beforeは「その時間よりも前」、つまり「その時間は含まない」ということになります。

というわけで感覚的に言うとbeforeは「前後関係のみを意識した」ゆるい表現であるのに対して、
untilとbyは「ある時間を強く意識した」表現と言うことができます。
もう少しbeforeを用いた例文を挙げておきますので慣れておきましょう!

(5) You must come home before dark.(byでもuntilでも置き換え不可)
* “before dark”は慣用的な表現なのでbyを使うことはできない。
(暗くなる前に家に帰らなければいけません。)

(6) He got home before five o’clock.(byでもuntilでも置き換え不可)
(彼は5時前には家に着いた。)

(7) I usually take a shower before breakfast.(byでもuntilでも置き換え不可)
(私は普通朝食の前にシャワーを浴びます。)

(8) I haven’t been here before now.(untilと置き換え可能)
*been (be)は「~にいる」という「継続を表す動詞」なのでuntilと置き換え可能。
(私はここに来るのは初めてです。/私は

(9) We have only two days before the conference.(byでもuntilでも置き換え不可)
*発話の時点での残り時間を表しており、会議までの「継続」(until)でも「期限」(by)でもないので置き換えることはできない。
(10) We must boil this water before drinking it.(byでもuntilでも置き換え不可)
*(6)(7)(10)は「1回で完結する動詞」なのでuntilは不可。
また「期限」や「締切」を表しているわけでもないのでbyも不可。

いかがでしょうか?
まだちょっと区別が怪しいという人は、辞書でできるだけ例文をたくさん読んでみましょう!

では今回はここまでです。