先日、受動態の授業中に次のような英文を板書した際に生徒から
「先生、前置詞って2個続けてもいいんですか?」
という質問を受けました。

 (1) She was spoken to by a foreigner at Ikebukuro Station.
 (彼女は池袋駅で外国人に話しかけられた)

私は「この2つの前置詞は見かけ上は連続しているけれども意味的にはつながっていないから問題ないよ」
と答えました。そして続けて「この英文を能動態にしてみればそれが分かるよ!」と。

(2) A foreigner spoke to her at Ikebukuro Station.(能動態)

このような例は「受動態」ではよく出てきます。

(3) The dog is taken care of by the little girl.
 (その犬はその小さな女の子によって世話をされている)
(4) The movie was looked forward to by many Japanese.
 (その映画は多くの日本人によって楽しみにされていた)

普通受動態というのは年の目的語を主語にして作られるのですが、
これらの英文ではいずれも動詞に続く前置詞の後の名詞(≒前置詞の目的語)が
主語になっています。それで、前置詞の目的語が主語となって前に出ると、
形式上前置詞が2つつながってしまうのです。

一方で、純粋に(形式的にも意味的にも)前置詞が2つ続く場合がない訳ではありません。

(5) People came to Japan from around the world to watch the tennis match.
(人々が世界中からそのテニスの試合を見に日本にやって来ました) 
(6) He looked into the room from behind the door.
 (彼はドアの陰から部屋を覗き込んだ)

これは「二重前置詞」とも呼ばれますが、ほとんどが
「from+場所を表す前置詞」で構成されます。

from under~=~の下から
from across~=~の向こうから
from among~=~の中から

今回はここまでです。
では!